放射線治療品質管理

測定手順

1アニール処理

蛍光ガラス線量計素子に蓄積した線量を消去して初期状態に戻すために、400℃の高温下で1時間アニール(熱処理)を行います。
アニール処理により、ガラス線量計素子は繰り返し使用することが出来ます。

アニール確認

アニール処理後に、ガラス線量計素子が初期状態に戻ったことを読み取り装置で確認します。

校正照射

下図はガラス線量計素子が封入された測定ピースです。
5個の測定ピースのうち、測定ピースNo.5は測定の基準となるリファレンス素子として、1Gyの照射(校正照射)を行います。校正照射後、測定ピースNo.5にバッググラウンド素子も封入します。
バックグラウンド素子は、自然界からの被ばくや運送時の被ばく等の影響を考慮するためのものです。

測定ピース測定ピース
測定ピースと、測定ピースに封入したガラス素子測定ピースと、測定ピースに封入したガラス素子

測定セットの送付

ユーザーへ出力線量測定セットを送付します。

測定ピースへの照射(依頼施設対応)

照射手順に従い、蛍光ガラス線量計が封入された測定ピースへ1Gy照射して頂きます。
照射に関する内容は、「照射データ記入シート」へ記入して下さい。データ記入シートの記入法はこちら

測定セットの返送

測定ピースへの照射完了後、当センターへ測定セットを返送して頂きます。

プレヒート処理

測定ピースから蛍光ガラス線量計素子を取り出し、放射線が照射された蛍光ガラス線量計素子の蛍光成分を安定させるために、70℃で30分間プレヒート処理を行います。

読み取り

プレヒート処理の翌日に、読み取り装置でガラス線量計素子の出力を読み取ります。
読み取り装置は、0.01mGyから10Gy まで測定可能です。ガラス線量計素子は読み取り方向(位置)による差が生じるため、同じ方向(位置)で読み取るように注意します。また、繰り返し測定により測定誤差を抑制します。
ガラス線量計素子は、アニールするまで繰り返し読み取ることが出来ます。

解析

読み取りで得た出力値は、ガラス線量計素子間の感度補正、エネルギー依存性の補正、水ファントムへの換算などの各補正を行い、測定線量を算出します。照射線量は、照射データ記入シートをもとに算出します。
解析後に報告書を作成・発送します。