放射線治療品質管理
校正測定能力
当財団線量校正センターが提供する校正結果に付随する不確かさの評価手順は、技術管理責任者のもと、あらかじめ試験所間比較によって評価結果(校正測定能力※)が妥当であることが確認されており、また一貫した適用を確実にするために文書化されているものです。
下表に、評価手順書に記載されている校正測定能力を略説します。JCSSでは、校正測定能力の不確かさを信頼の水準約95 %に対応する拡張不確かさで表記するよう規定されています。ただし校正測定能力の評価時に想定した被校正線量計と比べて性能が劣るもの、または公称容量が小さい電離箱を校正した場合、評価手順書に従い、実際の校正証明書に記載される不確かさは校正測定能力よりも大きくなる可能性があります。
※校正測定能力とは?
国際度量衡委員会が定めたものであって、ある測定量の一つの単位又は一つ以上の値を実現する計量器の校正等を実施する場合、又は該当する量の測定のために使用される計量器の校正等を実施する場合において登録等の範囲の内で達成できる測定の最小不確かさ
(引用:計量法施行規則)
表1.校正測定能力
校正対象機器 | 校正範囲 | 拡張不確かさ (信頼の水準約95%) |
---|---|---|
電離箱 (分離校正) |
Co-60γ線 水吸収線量 1.05×10-1 Gy ~ 2.01 Gy |
1.0 % |
電位計 (分離校正) |
電荷 0.9 ~ 1000 nC |
0.15 % |
注記:校正測定能力の評価においては、被校正電位計はIEC 60731:2011のREFERENCE-CLASS DOSIMETERに相当するもの、かつJSMP電位計ガイドライン(2022年)に適合したものを想定。被校正電離箱はIEC 60731:2011のREFERENCE-CLASS DOSIMETERに相当するもの、かつ公称容量0.6 mlの円筒形を想定。
更新:2024年5月